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スカートやワンピースの脇を縫うとき、裾から縫っていますか? それともウエストから縫っていますか?
「どちらから縫っても同じじゃない?」と思うかもしれませんが、スカートの脇線は、地の目に対する角度や前後スカートの形によって、伸びやすさが変わります。
特にフレアスカートなど、脇線がバイアス方向に近くなる場合は、縫う方向や前後身頃の重ね方を少し意識するだけで、仕上がりに違いが出ることがあります。
この記事では、スカートの脇をどちらから縫うとよいのかを、地の目と脇線の角度、そしてミシンの送り歯の働きから考えてみます。
スカートの脇は「裾からウエスト」が基本
裾から縫うときの考え方

まず結論から言うと、スカートの脇線はAの裾からウエストに向かって縫うのが基本とされています。
これは「縫う方向そのものが布を伸ばす」という観点よりも、ミシンの送りによって生地が伸びたり、縫い始め側の生地が引っ張られたりすることを回避する、といった意味での縫い方になります。
図のBのようにウエスト → 裾と縫うとき、下側にあるスカートの生地は大きく垂れ下がった状態です。
スカートはウエストから裾に向かって面積が大きくなるので、ウエスト側の小さい部分から、どんどん大きな布を引きあげながら縫う状態になりやすいです。
そのことによって生地に負荷がかかり、結果的に「伸びる」ことになります。
その逆に、大きい面積の裾側をテーブルに置いてから縫い始めて、徐々に細くなる方向へ進むほうが、負荷をかけずに縫うことができます。
ただし、「裾から縫うと絶対に伸びない」ということではなくて「裾からウエストに向かって縫うと、布の重みやミシンの送りによる伸びを抑えやすい」ということです。
縫う方向よりも「布を引っ張らないこと」のほうが重要です。
前後の脇線が同じなら、どちらを上にしても基本的には同じ
前後の裾幅が同じで、脇線の形や地の目に対する角度も同じなら、前スカートと後ろスカートで「どちらが伸びやすい」という差は基本的にありません。例えば前後スカートの脇線が、どちらも地の目に対して同じ角度で入っているとします。
この場合は、
- 前スカートを上にする
- 後ろスカートを上にする
という違いによって、生地自体の伸びやすさが変わるわけではありません。したがって、このケースでは裾からウエストへ縫うことを優先して考えればOKです。
「どちらを上にするか」より「脇線の角度を見る」です。
前後スカートの違いを見るときに大切なのは単純な前後の違いではなく、脇線が地の目に対してどのくらい斜めになっているかです。
前後の裾幅が違うと、脇線の角度も変わる
前後身頃の裾幅に差があるスカートでは、前後の脇線の形が変わることがあります。すると、同じ「脇線」でも、地の目に対する角度が前後で違ってくる場合があります。

バイアスに近いほど、生地は伸びやすい
布は、地の目に沿った方向と、斜め方向とでは動き方が違います。特に地の目に対して45度に近いバイアス方向は、伸びやすく、形も変わりやすい方向です。
そのため、
脇線が地の目に対して浅い
↓
バイアスから遠い
↓
比較的安定している
反対に、
脇線が地の目に対して急
↓
バイアスに近づく
↓
伸びやすくなる
という考え方ができます。
伸びやすい側を下にして縫う理由
ここでミシンの送り歯が関係してきます。ミシンでは、下側の生地は送り歯によって送られ、上側の生地は押さえ金の下にあります。この構造によって、上下の生地で送り量にわずかな差が生じることがあります。
📍ミシンの構造と縫いずれの原因、ずらさない縫い方
ミシンの特性を考慮すると、前後の脇線の角度が違う場合は、より伸びやすい側を下、比較的安定している側を上にするという考え方ができます。
伸びやすい側を送り歯側に置くことで、縫製中の生地の動きをコントロールしやすくなります。
ただし、生地の種類やミシン、押さえ金の状態によっても結果は変わるため、これは「必ずこうする」というルールではなく、縫い伸びを防ぐための考え方の一つとして捉えるのがよいでしょう。
きれいな脇線にするには「縫う方向」だけではない
脇線の伸びを防ぐためには、縫う方向だけに頼ることはできません。
- 基本のキ――地の目を通した裁断
- 縫い始める前に生地を整える――裁断後に生地が伸びている場合は、アイロンなどで整えてから縫います。
- 生地を引っ張って縫わない――ミシンが布を送ってくれるので、手で前後に引っ張らないことが大切です。
- 伸びやすい生地には補強も考える――バイアスに近い脇線や、非常に柔らかい生地の場合は、伸び止めテープなどで安定させる方法もあります。
まとめ
スカートやワンピースの脇をきれいに仕上げるためには、
「裾から縫うか、ウエストから縫うか」だけを見るのではなく、脇線が地の目に対してどんな角度になっているかを見ることが大切です。
前後の脇線が同じなら、基本は裾からウエストへ。
前後で角度が違うなら、よりバイアスに近い側がどちらなのかを確認して、必要に応じて伸びやすい側を下にする。こうして考えると、「なんとなくこの方向から縫う」という作業が、布の性質とミシンの仕組みに合わせた縫製に変わります。
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