もうツラせない!薄い生地をきれいに縫う方法|洋裁のコツ  

部分縫い


パッカリング」って聞いたことありますか?いわゆる、縫い攣れ、ひきつれ、などの縫い目のゆがみです。デザインとしてのパッカリングもありますが今回はパッカリングさせない縫い方をご紹介します。



薄い生地をきれいに縫う方法 パッカリングとは?良いパッカリング・悪いパッカリング

今回は洋裁の基礎編、ただ縫い合わせる時の注意点についてまとめてみます。

私は洋裁学校時代(はるか昔)学校の先生の家に下宿して、そこから学校に通っていました。
ただの下宿ではなく、いわゆる丁稚どん的な生活で
早朝より家事を手伝って(廊下の雑巾がけなど)から学校に行き、
帰ってからアトリエで補修授業を受ける…と言った洋裁漬けの日々を送っていました。

初めて習ったことは2枚の布を合わせて真直ぐに縫う事。
その時の布の色柄を今でもはっきり覚えています。
めちゃくちゃ厳しく指導され、ちょっとトラウマチックな思い出として残っています。

でもそれはとても大事な事で、縫ったものが真直ぐ縫えているか?
引き攣れていないか?綺麗か?と言う意識と目が育ちました。

さて本題の「パッカリング」て何でしょう?
良い・悪いがあるの?


まずパッカリングとは2枚の布を縫い合わせた時に
縫い目付近に発生する縫い皴やひきつりの事を言います。

「ひきつり」でいいじゃん、カッコつけてパッカリングなんて言わなくても。
いえいえ、これね、専門家あるあるでただ知ってる言葉を言いたいだけなんです(笑)
たまに間違って使って恥をかくこともありますが(;’∀’)
そうそう、花の名前で「エリゲロン」てありますが
あれを「エロゲリン」って書いてる人いたわ、思い込み注意ですね(笑)

脱線も注意!

元に戻して・・・
「良いパッカリング」これは意図してひきつらせているもので
わざとステッチなどでしわを出してデザインとして表現する縫い方です。
シャツの脇縫いなどを2本針で縫ったりして縫い目を際立たせる、とかです。

今回は「悪いパッカリング」について
悪いパッカリングとは縫い合わせた時にできる縫い縮みのことをいいます。
つまり、縫った時にミシン目にできる縫い縮みやひきつれによる歪みによって発生します。
糸調子が強すぎた時や、生地の織り密度が高い生地を縫う時などにも発生します。

私のパッカリング経験は「着物リメイク」でストライプ柄に合わせて耳を使って縫い合わせ
タックスカートを縫った時です。

縫っている時には全く気が付かなくて
よし!いいのができた!とハンガーにつるしてかけた時に初めて気が付きました(遅いっ)
縫い目がことごとく引き攣れています。
プロにあるまじきミスですね…

普段、絹と比べると織り密度が緩いリネンを扱っていますので
深く考えずに縫ってしまったのと
平面で見ると引き攣れて見えなくて、アイロンをかける時も気になりませんでした。
吊り下げて初めて分かった、と言う…
いい訳甚だしいですね(;’∀’)

 

この事を前ブログで投稿すると
着物リメイク専門の方からアドバイス頂きました。
耳を使わない方がいいですよ、と。
あ~、確かに普通にリネンやコットンなどで縫う時でも耳は使いません。

でも、着物の仕立てでは耳を使っていますが・・・と思いましたが
それは手縫いだからですね。
ミシンで縫うのとは違いますものね。



薄い生地をきれいに縫う方法 なぜパッカリングが起きるの?

耳を使った事も原因の一つではありますが
根本的な原因はミシン針が生地を針穴に押し込むときに
周りの生地も一緒に引っ張り込んでしまう事が大きな要因になります。
他には、生地の厚みに対する針や糸が太すぎるや、
糸調子、押さえ圧がきつ過ぎるなどがあります。


それらを改善することで綺麗に縫い合わせる事が出来ます。
では具体的な方法と、お試しアイデアをお伝えします。

 



薄い生地をきれいに縫う方法 どうしたら綺麗に縫える???

パッカリングが起きやすい生地は
ポリエステルなどの合成繊維、裏地のような薄い生地、
コットンでもリバティなどのローンも入りますね。
あとは私がミスった着物地などのシルクなどの織り密度の高い生地です。

これらを扱う時の対策は、まず縫う前の準備として
・ミシンの針を細いものに変える 普段は11号で糸は60番を使っていますが
 9号で糸は90番を使います。
・ミシンの糸調子を弱める
・針基線を変えられるミシンであれば中基線の直線縫いを左基線に変える
 例えば下のような設定のミシンでしたら01を選びます。
 こうする事で生地の食い込みを軽減できます。

 

・ミシン目を小さくする

以上のような設定をするだけでも、改善されます。
薄物専門に縫う人なら、上記の様にカスタムしておけばよいでしょうが
いろいろな生地を使うのであれば、いちいち設定し直さなければいけませんよね、面倒くさいわ~。
糸調子などを変えた日には、また合わせるのが大変(またまたプロにあるまじき発言^^;)

あと、実験としてやってみたのは紙を敷いて一緒に縫う。です。
これは文句なしの綺麗な縫い目になりましたが、実用的ではありませんね。
いちいち紙を取り除かなくてはいけないし、紙も大量に必要です。

はいっ、ここまでは、一般的な方法です。



薄い生地をきれいに縫う方法 目からウロコの攻略方法!

今回参考にさせて頂いたのは、こちらのSenjyu工房さんのyoutube動画
「縫い縮み(パッカリング)~薄い生地や合成繊維の縫製不良【お悩み解決】です。

上記のような方法は一般的ですが、こちらの目からウロコ動画を見て
一度はあきらめた「着物の裏地で服を縫う」を、もう一度チャレンジしてみる気になりました!

パッカリングさせない方法、その答えは「引っ張って縫う」です。ただこれだけ。

羽二重(絹)試してみましたら、はい、そのとおり。でした^^;


「では、どうやって縫いますか?」のところのようなミシンの設定はせず、
とは言え針はさすがに9号に変えましたが。
その他の設定は従来通りで糸は60番、糸調子も押さえ圧も変更なし、です。

ただ縫うだけでは(一番上の縫い目)引き攣れています。
2番目は下に紙を敷いて縫いました。
これは合格点の縫い目ですが、紙を取らないといけないし
慎重に取らないと、縫い目を引っ張ってしまって逆効果。

で、3番目の縫い目は上下を手で引き加減に縫いました。
ちょっと半信半疑でしたがびっくりな結果!
紙を敷いたのと同じくらい綺麗に縫えています。

引っ張って縫うというのは、織り密度が高いからこそできる事ですね。
一般的な生地なら引っ張ると若干伸びてしまいますから。

引っ張るのは生地の特徴を利用した、理にかなった方法だと思います!
Senjyu工房さん、さすがですね~! 

Senjyu工房さんの動画では他にもお役立ち情報がいっぱいで、勉強になることがたくさんあります。
ご覧になるといいですよ♪


以上、パッカリングからの解放!でした! そんなタイトルでしたっけ???(笑)
と言うことで、只今取り組んでいる着物リメイクをちゃっちゃと片付けたいと思います♪


 

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