ミシンの縫いずれの原因とずらさない縫い方

部分縫い

同じ長さに切った2枚の布を縫い合わせるとき、段々上下の布がずれてきて最後には1cm以上のずれができてしまうことがあります。 同じ長さに切ったはずなのになぜ???

洋服の脇縫いなどの長い距離はもちろん、ほんの短い距離でもそういった現象は起こります。この記事ではそうなる原因と対策をご紹介します。

ミシンの縫いずれの原因

同じ長さの布を2枚、ミシンでただまっすぐに縫っただけなのにずれてしまう…下手なの???センスがないの???いえいえ、これは縫い手の技術不足でも何でもありませんのでがっかりしないでください、ミシンとはそういうものなのです。

ここで、ミシンの特性について解説します。

【ミシンの特性】
全く同じ長さに切った布を2枚を縫い合わせるとき、ただ縫っただけでは上になっている方が長くなって最後に長さが合わなくなる、と言う現象。同じ長さに切ったはずなのになぜ???

これにはミシンの特性が関係してきます。

図のように、ミシンの構造は押さえと送り歯の進行方向が違います。押さえは前に縫い進める役目をし、送り歯は縫った生地を後ろに送る役目をします。

押さえに接している上の生地(赤い線)は前に行かされ、送り歯に接している下の生地(青い線)は後ろに行かされます。この作用が同じ長さに切った2枚の生地をずれさせる原因なのです。

ミシンの縫いずれ対策

ずらさない縫い方

この特性を理解していれば、いざ縫う時に対策ができます。どんな対策ができるかと言うと。。。
上になっている生地を手で送ったりしっかり押さえたり、下になっている方を少し引き気味にしたり、ということを意識しながら縫うと2枚が綺麗に縫い合わさります。

まず一番基本的なこと縫い始めは布をセットした後、先に押さえを落とさずに2枚の布の端をしっかり合わせて針を落としてから、押え金を下ろして下さい。①針をおろす→②押さえをおろすの順番です。

次に具体的な方法のいくつかをご紹介します。

数か所を固定して、
その間で縫い収まるように右手の指で押さえながら縫います。

右手に目打ちを持って、押さえ金の手前で縫い代を押さえながら送っていきます。
もしくは押さえ金の右側を目打ちで押さえながら送ります。
注)ミシンの速度を低速にして、ミシン針と目打ちが当たらないように気を付けます。

縫う手前の布を2枚合わせて手でくるっと巻いて縫い進めます。下になった方の布の外周が少し引っ張られて長くなるのでバランスよく送られていきます。

その他のずらさない方法

その他に縫いずれを防ぐ方法としては、フットコントローラーをべた踏みしない、高速で縫うと押さえの圧が不安定になる場合があります。

また、まち針で固定する場合は縫い目に対して垂直になるように打ちます。斜めに打つと厚い生地などの場合はズレていることがあります。

また、この特性を利用して、衿などの「接着芯を貼った生地」と「貼っていない生地」を縫い合わせるとき、接着芯を貼った伸びにくい生地を上にして縫うと綺麗に縫えます。

ミシンの縫いずれの原因とずらさない縫い方のまとめ

ミシンの縫いずれの原因とずらさない縫い方のいくつかをご紹介しました。ミシンの特性を理解していれば、縫い合わせるとき手の動かし方や押さえ方など意識する事ができますね。参考にして頂いて綺麗な仕上がりを目指してみてください♪

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