※こちらの記事で紹介している「アシュリーファブリック」さんは、2025年10月に閉店されました。現在は購入できませんが、当時の品質や特徴を記録として残しています。
リネン生地やリネンの洋服ってやたらと高いイメージがありますよね。洋裁をする人、特に洋裁初心者さんにとっては失敗したらどうしよう?などと、気軽に手を出せないハードルが高い素材なのかもしれません。ですが、私が長年愛用しているアシュリーファブリックのリネンは価格がお手頃で品質も良いリネンです。
アシュリーファブリックのリネンを使って、私はこれまでたくさんの洋服を作ってきました。他のメーカーのリネンも多く使ってきましたが一番縫いやすいのはアシュリーファブリックのリネンです。
この記事では、アシュリーファブリックが選ばれる理由や実際の口コミ、購入方法について、初めての方にもわかりやすくまとめています。リネン選びで迷っている方の参考になれば嬉しいです。
アシュリーファブリックのリネンの特徴
私が長年使っているアシュリーファブリックは、リネンやハーフリネンを中心とした上質な生地を展開しているブランドで、数あるネット通販のリネン専門サイトの中で一番お手頃な卸価格でリネンを提供してくれています。
自然な風合いと使いやすさから、洋服作りやインテリアに広く愛用されています。私の洋裁店では販売もオーダーもお受けしていますが、ほぼアシュリーファブリックのリネンを使っていますし、教室の生徒さんにもお勧めして使って頂いています。
田舎暮らしで布屋に行けなかった私は、ネットでリネンを探すしかありませんでした。洋服作りを続けるうちに、生地の調達が大きな悩みになりましたが、根気よく探した結果、ようやく「アシュリーファブリック」というリネン専門ショップに出会うことができました。
アシュリーファブリックの価格を見て驚きました。当時は1mあたり約800円で、幅は140cm。信じられないほどお手頃です。※現在は原材料費やコロナ禍の影響で値上がりしていますが、それでも洋服作りに使いやすい価格帯です。
ただ、少し気になったのは産地が「中国製」と記載されていたことです。「中国産のリネンって大丈夫?」と不安になりました。リトアニア産などが最高級と考える方も多く、価格も品質も満足して使ってはいましたが、少し後ろめたい気持ちもあったのです。
しかし実際に使ってみると水通し(仕立て前に生地を縮ませる作業)をしても、綿埃が少なく、良質な繊維でしっかりと織られていることが分かりました。
綿埃が少ないということは原料であるフラックスの長い繊維で織られているということです。そして、リネンなのにサテンのような光沢があります。
リネンの品質は 「繊維の長さ」 が大きな指標になります。長いフラックス(long-staple / line flax)から取れた繊維は細く均一な糸に紡げるため、光沢や滑らかさ、強度に優れ、上質なリネンになります。一方で短い繊維(tow)は肌触りが粗くなりやすいですが用途によっては丈夫で扱いやすい特徴があります。「長繊維由来のリネン」は縫い心地が滑らかで仕立て映えしやすく、洗うほどに風合いが増す点です。
そして、1着仕上げてみると、縫い心地も良く、初心者でも扱いやすいリネンだと実感しました。リネンはコットンと違い、裁断時にずるずる動きやすく、バイヤスにカットするときは特に注意が必要ですが、アシュリーファブリックのリネンは比較的安定しており、横糸が見やすいので地の目を通しやすい点も魅力です。
さらに縫った洋服を自分で着てみると、肌触りがとても良く、素肌に当たってもチクチクしません。リネン特有のしわも自然で美しく、ナチュラルな仕上がりを楽しめます。アシュリーファブリックのリネンは、洋服作りにぴったりの扱いやすさと高品質を兼ね備えた生地だと感じています。
価格に関しては安いことが定評です。アシュリーファブリックのリネンは価格設定が低くしてありますが、品質が劣るということではありません。大量に仕入れることで販売価格を押さえられているのです。
アシュリーファブリックが人気の理由
リネンの中でもアシュリーファブリックが選ばれるのには、いくつかの理由があります。
- 価格が安い
何といってもこれが一番の魅力です。一般的なリネンの価格の約半分の価格で販売されています。アシュリーファブリックの公式サイトによると大量に仕入れている事で卸価格並みの値段での販売が叶っているということです。 - 適度な厚み&やわらかな風合いと肌ざわり
織りの密度がちょうどよく、肌に触れたときにチクチクしにくいのが特徴です。服に仕立てても快適に着られるため、春夏はもちろん、重ね着をすれば秋冬にも活躍します。(リネンの季節はいつ?夏のイメージだけど冬でも着れる!保温性に優れた天然素材、冬リネン生地の種類) - 縫いやすく仕立て映えする
アシュリーファブリックのリネンは中厚と薄手の2種類の厚みで展開されています。どちらも適度な厚さで、縫いやすさと仕立て映えのバランスが良いです。
薄手の生地はギャザーやタックなどのデザインもきれいに出るので、ブラウスやワンピースに向いていますし、中厚はジャケット、コートワンピースなどに向きますし、私個人はカーテンや布団カバ―にも使っています。このように、作るアイテムによって厚さを選べます。 - 豊富なカラーとデザイン展開
ベーシックカラーから鮮やかな色まで揃っているため、作品に合わせて選べるのも魅力です。ナチュラルな無地だけでなく、リネンダンガリー(アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックってどんな生地?特徴と作品例)やストライプなどの柄物も人気があります。
また、ハーフリネンやコットンスカラップレースも追加され価格もリネンと同様に卸価格並みの設定です。
カラーとラインナップ
よく使う生地の一部をご紹介します。個人的に私がよく使うのは基本カラーの麻色、アンティークモーヴ、ブルー、ダンガリーブラックですが、全22色と、豊富なカラー展開になっています。
リネン100%無地|中厚生地 22色+1柄
カラーは全部で22色と豊富です。
生地の厚みは「中厚」と表示されています。























これらの中厚生地の他に「短繊維」という生地が新しく提供されています。
・白
・ダークアイボリー
・レッド
・アンティークモーブ
・グリーンカーキ
の5色です。短繊維なので、お値段は少しお安めに設定されています。
リネン100%無地|やや薄生地 6色
中厚リネンよりも少し薄手のリネンです。例にとるとオフホワイトに若干の透け感があります。ブラウス、チュニック、ワンピースなどが最適です。夏用として使われるのがいいですよ!






ハーフリネン無地 10色
リネンだけでなくハーフリネンも取り扱いがあります。
麻52%綿48%の綿麻生地と麻の混率が高い高品質なハーフリネンが市場の半額程度で販売されています。
リネンのサラリとした爽やかさ・素材の丈夫さ・通気性の良さと、コットンの優しい柔らかさ・優しい肌触りのいいとこ取りをした心地のよい生地です。ジャケットやパンツ、バッグなどの小物作り、またインテリアファブリックとしてもお勧めします。










コットンスカラップレース 12色
綿100%のスカラップレース生地です。片耳に刺繍をほどこしたレース生地ですが、価格はアシュリーファブリックさんならではの市場の半額程度の価格設定が実現しています。
アシュリーファブリックさんがこの人気生地を取り扱う事を知って本当に嬉しかったです。ほとんどの販売店が同じ程度の刺繍が入った生地を1280円/m以上で販売しているような生地がお求めやすい価格で販売されています。












カラーによって若干お値段に違いがありますので確認してくださいね。
リネンはリネンらしいナチュラルな生成りから、深みのあるブルーやグリーン、ニュアンスの効いたグレーまで揃っていますし、ハーフリネンやスカラップレース生地なども追加されて、季節やシーンに合わせて選べる幅が広がっています。シンプルなワンピースにしても、ちょっとした小物に取り入れても、色や質感によって雰囲気がぐっと変わるのも魅力です。
実際にどんなカラーや素材があるのかは、ショップを見比べるとイメージが広がります。楽天市場でも豊富にそろっているので、好みの色や風合いを探すのに便利です。
実際に使ってみた感想(レビュー)
扱いやすさ
私自身アシュリーファブリックのリネンを10年以上使ってきています。作った服は数え切れません。これまでにも述べてきましたが、リネンににしては裁断するにしても縫うにしてもとても扱いやすいのです。その理由は織りが甘すぎず、きつすぎず、ちょうどいい密度で織られているためで、バイヤス部分の扱いも楽です。
縫う前に水通しをしますが、正直必要がないくらい「生地の縮み」はありません。ただ、水通しをすると生地が馴染んで裁断や縫製がしやすくなるので、ひと手間かけて水通しをします。※他のメーカーのリネンについては「縮み率」を視野において必ず水通しをします。
洗濯は?
リネン服の中には「洗濯はクリーニングに出します」という方もいらっしゃいますが、着るたびにクリーニングに出すのは手間もお金もかかって大変です。私がリネンで洋服を作るときに大切にしているのは「家で気軽に洗えること」。これは譲れないポイントです。
仕立てたばかりの新品のリネン服は、パリッとした質感と上品な雰囲気があり、お出かけ着として楽しめます。ところが、リネンは着るほどに柔らかくなり、色や質感に味わいが増していくのが特徴です。
だから少しずつ普段着におろして、毎日の生活の中で自然に着続けられる――この変化こそがリネン服の魅力であり、私が大切にしているルーティンです。
そして何より、リネンはクリーニングに頼らずとも自宅で洗濯できるからこそ、この「お出かけ着から普段着へ」という使い方が成り立つのだと思います。新品の頃は特別に、そして年月とともに日常に馴染ませていける。そんな長い付き合いができるのもリネンならではの楽しみです。

洗濯機で回して裏返しにしてバンバンとたたいて干しておくと、
パリッと乾いてアイロンがけも不要です。
耐久性
アシュリーファブリックのリネンはしっかりした織りのため、日常使いでもヘタりにくいです。私自身、長年き続けていますが、洋服としてはもちろん、バッグや小物に仕立てても長く愛用できます。
洋服に関して言えば7年以上(正確ではないですが、それくらいかもっと)同じ服を着続けていますが、色落ちはあるにしても着る頻度にもよりますが、生地の耐久性自体は長持ちします。

ある時、ステラ洋裁店の顧客さまから生地が薄くなったので補強をしてくださいと依頼を受けたことがあります。もう何年も前に購入いただいた服でした。
そこまで気に入って着てくださっている事に感謝すると同時に、持ってこられたその服を見た時に「ここまでよく頑張ってきたね」と、なんだか切なくなりました。
口コミ・評判をチェック
実際にアシュリーファブリックを購入した人の口コミを楽天市場、ヤフーショッピングの両方でまとめます。
良い口コミ(愛用者の声)
- 迅速に対応いただきありがとうございました。リネンがお手頃価格で入手でき嬉しいです。完成したらまた注文したいと思います。
- 刺繍生地が欲しくて探していたところこちらのショップに辿り着きました。 売り切れのカラーが多いのが残念ですが、品質はとってもいいのでまた利用したいと思います。
- 一応、測ってみたら5 、6cm多めに切ってくださっているようだったので、とてもありがたいです。
- すぐに発送して頂けて、作成意欲が冷めないうちに受け取れました。 ハンドメイド材料は遅いとモチベーション下がりますから、早いって大事です。
- しっかりした生地で、色もイメージ通りでよかったです。
- 良い商品をお手頃な価格で購入できました 早い発送感謝いたします!
- 10センチ単位で買えるのでとても助かっています。おかげで無駄な布が出ず、金銭的にも助かります。
- 物価高騰の影響もあるとは思いますが、このままの価格を維持してもらいたいです。 発送も早くて、送料も無料の下限も安くて助かります。

☆☆☆☆☆の評価がほとんどで、
配送が早い、しっかりした生地で色もイメージ通りと評価されています。
気になる口コミ(注意点)
- 備考欄のメッセージを読んでもらえず残念でした。
- 発送はとても早くて良かったです。 裁断が斜めでザクザク切った感じだったので、もう少し丁寧に裁断していただければ嬉しいです
- 何度もリピートさせていただいています。買い始めた頃は800円台だったのが今では1000円台になってしまいましたね。それだけが残念です。。
- 一点お願いするならば、雨対策で外は紙袋の為、生地の入っているビニール袋の口を端までテープ留めして欲しいです。

気になる口コミはほとんど見当たらず、共感したのは「買い始めた頃は800円台だったのが今では1000円台」の部分です。でもこれは仕方ないですね。環境の変化で原材料となるフラックスの生産が安定しないなどの要因が挙げられます。
まとめ
今回は10年以上リネンを使って1000着以上の服を一人で縫ってきた私が、品質的にも価格的にもお勧めのリネン通販専門店アシュリーファブリックのリネンについてのレビューと調べた事をまとめました。
*アシュリーファブリックのリネンの特徴
数多くのサイト、メーカーの生地を使って縫ってきましたが、裁断も縫製もしやすい、扱いやすい生地
*アシュリーファブリックが人気の理由
品質が高いのに卸価格で提供しているので、お求めやすい価格で手に入る。
*カラーとラインナップ
リネン100%の生地は2種類の厚さがあり、カラーは全部で22色+ダンガリー。
ハーフリネン、コットンスカラップレースの取り扱いもある。
*口コミ・評判をチェック
殆どの口コミで高評価を得ている。
以上の事がわかりました。リネンが好きだけど、生地選びがわからない、高すぎて手が出ない、などのお悩みを持つハンドメイドが好きな方、またお仕事としてリネン服を縫っている方、ぜひ参考にしてください!
リネンは高級な素材というイメージがありますが、アシュリーファブリックのリネンは手に取りやすい価格で、日常に取り入れやすいのが魅力です。
※こちらの記事で紹介している「アシュリーファブリック」さんは、2025年に閉店されました。現在は購入できませんが、当時の品質や特徴を記録として残しています。
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