リネン服を専門に縫っているステラ洋裁店では、「あのサイトのあのリネン生地はこんな生地です」と言えるくらいに、いろいろな通販サイトのリネン生地を扱ってきました。その中でも鬼リピートして、よく使っている「リネンダンガリー」について作品例などを交えて良さをまとめお伝えします。
この記事でわかる事 アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックってどんな生地? アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックの特徴 アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックを使った作品 |
アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックてどんな生地?
ダンガリーってどんな生地?
「ダンガリー」はインド・ムンバイ近郊の集落「Dungri」という土地で作られていた粗野な綾織物が発祥です。たて糸に白糸、よこ糸に先染め糸を使った綾織りや平織りした生地です。
織物というのは、「生地の表側にタテ糸」「生地の裏側にヨコ糸」があらわれます。そのため、ダンガリーの表側には色糸ではなく、白糸が多くあらわれているのが特徴
素材はコットン100%が主流ですが、中にはコットンリネンや、ポリウレタン混紡のストレッチ素材などもあります。生地の厚みとしてはデニムよりも薄地になりますので、シャツやワンピース用の素材として選ばれるケースが多いようです。
ダンガリーの特徴は?
ダンガリーは薄手で軽いという特徴に加え、とても丈夫な生地です。実用的な作業着としての歴史が長く、現在でもカジュアルスタイルには欠かせない定番生地となっています。
風合いとしては、2種類の糸を使って織られている事で色むらがありますが、これが持ち味となって使い込むことで味わい深くなり、経年変化が楽しめる素材です
逆に、この色落ちがデメリットともいえます。よこ糸にインディゴ染の糸が使われている場合、汗をかいたり水に濡れた時など、他の衣服に色移りすることがあります。ですので、しっかり水通しをして色落ちさせてから洋服に仕立てるのがいいでしょう。
リネン100%のダンガリー
ここまで、ダンガリーの由来や織り方の特徴、素材についてなどをお伝えしてきましたが、リネン服専門に縫う私が気になったのはリネン100%のダンガリー生地はあるのか?です。
先にもお伝えした通り、一般的にダンガリー生地はコットンで織られている場合が多いです。他にはコットンリネンや、ポリエステル混紡などですが、リネン100%というものはあまり見かけません。
いくつかは見つけましたが、ワッシャー加工(しわ加工)されていたり、薄すぎて扱い難かったり、となかなか理想的なリネンダンガリーに出会えませんでした。
なので、お世話になっているリネン専門店アシュリーファブリックさんが取り扱いを始めてくれた時は嬉しかったですね。私は2014年からアシュリーファブリックさんでリネンを買い始めましたが、その頃はまだなかったと思います。
アシュリーさんのリネンダンガリーがどんな生地なのか、すぐに注文してみました。
アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックの特徴
アシュリーファブリックさんのリネンダンガリーは「ダンガリーブラック」の1色のみ。黒糸とオフホワイトの糸を織合わせてあるので「ブラック」というよりも「チャコール」に近い色で独特な色ムラと奥行きのある風合いが特徴です。
気に入っているポイントは、しわ加工されていない事とネップが気にならない事。適度な厚みと張り感があって、しかも光沢もあります。キチンとした印象も加わりいろんな場所で活躍出来そうな上品でおしゃれな感じに仕上がります。
リネン服の大きな特徴は「しわ」ですが、しわの入り方も上品できちんとした雰囲気になるのです。
並べてみると、「しっかり感」がわかりやすいですね。
リネン生地は水通しをした後、本来の風合いがわかる物なのですがこのダンガリーブラックは更にいい風合いを醸し出してきて、初めて注文した時などは早く服に仕立てたい!と、制作意欲をかき立てられました。
価格も生地幅137cmの広幅で1155円/mとお求めやすい設定になっています。
生地幅137cmの広幅で1155円/m
ちなみに、他の2サイトと比べてみると…
*職人こだわりの国産リネンダンガリー生地 40番手 130cm幅 1560円/m
「職人こだわりの国産リネン」さんの生地は比較的に低価格ですがアシュリーファブリックの生地よりは少しお高め。ですが、カラー展開が豊富なので、いろいろ選べますね。
*布地専門店 kijiy 麻100% ダンガリー 112cm幅 50cm単位販売 2560円/m
「布地専門店 kijiy」さんの価格設定は シングル幅の112cmで2560円/mですが、この価格帯がいわゆるリネン業界では一般的です。こちらも3色の展開で選べるようになっています。
カラー展開が豊富なのはよいのですが、逆に多すぎて悩んでしまって選びきれない、という事があります。アシュリーファブリックのはダンガリーブラックだけですので、選択肢はありませんが迷う事はないですね。
アシュリーファブリックのリネン・ダンガリー・ブラックを使った作品
これまでにアシュリーファブリックさんのリネンダンガリーを使って作った作品は多くあります。2014年からお取引を始めてもうすぐ10年になります。
注文履歴を見ると200m近く買わせて頂いています。多いか少ないかはわからないけど、個人商店としてはまあまあ?その中の3分の1くらいはでダンガリーブラックだと思います。
では、どんな作品を作ってきたか、一部をまとめてみます。
ダンガリーブラックを使った作品 カシュクールコートワンピース
ナチュラル服の定番ともいえるカシュクールワンピース。コート代わりに羽織って着る、というコーディネイトも多いですね。
ダンガリーブラックを使った作品 フリルワンピース
衿元と袖口の小さいフリルが可愛いワンピースで、後ろ衿ぐりにスラッシュあきがありかぶって着るタイプです。
着画像はこちら。
ダンガリーブラックを使った作品 ノースリーブワンピース(マタニティ兼用)とメンズシャツ
マタニティ対応で、というオーダーを頂いた時にお作りしたデザインです。
奥様のマタニティワンピースとご主人のシャツをお揃いで♡
マタニティは授乳対応で前開き、マタニティ以外の時でも普通に着ていただけます。
ダンガリーブラックを使った作品 Vネックのプルオーバー
Vに切り込んで重ねた衿ぐりと前後差のある裾ラインが特徴のプルオーバーブラウスです。
ダンガリーブラックを使った作品 いろいろ
ワンピースやチュニックが多いですが、スカートやパンツも多く作りました。
赤ちゃん用のロンパースにも仕立てました。ピンクとか花柄とかより無印ッぽい服を着せたい!というミニマリストなご夫婦に人気です♡
こちらはお布団カバーと枕カバーをお揃いで作りました。シンプルでミニマムなインテリアがお好きな方にはおすすめです。私事で恐縮ですが、我が家のうさぎがなぜかとても気に入ってしまい、いつもこの上に居ました(同色なので落ち着くのでしょうか)
洋服だけでなくインテリアファブリックとして使っても、カッコよくておしゃれなダンガリーブラック。
なかなか好きなイメージの服が見つからない、自分サイズがないという方や、好みのインテリアファブリックがお店に売っていなくて、インテリアにこだわりたいのを諦めている、というリネンが好きなみなさんのライフスタイルにぜひ取り入れて頂きたいお勧めのリネンです。
アシュリーファブリックのリネン・ダンガリー・ブラックってどんな生地?特徴と作品集のまとめ
アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックを使った作品例の一部を見て頂きました。画像だけで質感をお伝えするのは難しいのですが、ダンガリーブラック、使ってみたいと思ってくださった方の参考にして頂ければ幸いです。
この記事では
アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックってどんな生地?
アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックの特徴
アシュリーファブリックのリネン・ダンガリーブラックを使った作品
以上の項目でまとめました。
また、リネンの生産国やタグの表示、リネンの真実について詳しく調べて書いています。これを読めばリネンに対する概念が180度変わります!
コメント
こんばんは!(^^)!
地の目について次々と新しい情報をありがとうございます。
先日、初めて地の目を通して小さなサイズの裏布を立ってみました。
結構大変でしたが手芸店で切ってもらった布は曲がっていました。
今日のやり方はパッチワークのボーダー等長い距離を裁断する時に
やってみようと思います。
おはようございます(^-^)
返信遅れてごめんなさい^^;
参考にして頂けて良かったです。
手芸店では二つ折りに巻いてある生地の場合は特にですが
二つに折って巻いていくと、地の目はかなりずれています。
それを乱暴に二つ折りのまま切るので、かなりずれがあると思います。
洋裁の場合は生地が足りないほどずれていたという話も聞きました。
買う時には要注意ですよね(;’∀’)
地の目の取り方、長い距離には役立つと思います、ぜひ!!!