袖のパターン製図方法の基本と2種類のギャザー袖アレンジ

型紙の書き方

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袖のパターンってどうやって作るの?袖ぐりの曲線はどのように引くの?そんなお悩みにお答えします。袖のパターンの成り立ち、実際の書き方、アレンジ方法についてまとめたことをご紹介します。

袖のパターン製図方法 基本の線を引く

袖は身頃のパターンが出来上がってから、それをもとに作ります。まず、基本となるパターンを引いていきましょう。

袖のパターンを書く順番

袖のパターンを製図するときに書く線には順番があります。

袖幅は何センチですか?とよく聞かれます。事前に袖幅を決めて書くということではなくて、袖山から前後の袖ぐりを斜めに下した点と点の間が結果的に袖幅になります。

袖ぐりの長さを測る

袖の型紙を作る時、まず必要なのが前後身頃の袖ぐりの長さです。カーブの長さは計りにくいですが、以下のようなアイテムを使って測ります。

私が普段使うのは柔らかい方眼定規、よく曲がるので図面に合わせやすいです。「マールサシ」やメジャーなどもいいですよ。

後ろ袖ぐり、前袖ぐりをそれぞれ正確に測ります。
後ろ袖繰りの方が1.5∼2cm程度長くなっているのが普通です。

袖山の高さを決める

袖ぐりの長さを測ったら、前後の袖ぐりよりも長い目の横線「袖幅線」を引きます。
次に、垂直に交わる縦線「袖山線」を右よりに引きます。
ここではレディースの型紙を作りますので、右側を前袖にします。
(メンズの場合は左側が前袖になります)

袖山の高さは服のデザインによって変わります。
シャツスリーブならば10cm前後、ブラウスのようなデザインであれば13∼15cmくらいでしょうか。
体型にもよります。二の腕が太めの方なら、袖幅を広くしたいので袖山は低くなります。

袖ぐり線を入れる

袖山の高さが決まったら、袖ぐりの案内線を引きます。
袖山から横線に向かって斜めの線を引きますが、左側は後ろ袖ぐりの長さと横線が当たるポイントを探して、そこをつなげます。右側も同じように前袖ぐりの長さと横線が当たるポイントをつなげます。

この時の左右のポイント同士をつなげた長さが袖幅になります。

ここまでで、基本の線が引けましたので、基本になる線を元にして袖ぐり線を書いていきましょう。

考え方のポイントとして
繋ぎ合わさる部分、ここでは肩線になりますが
脇の縫い合わせ部分なども含めて、縫い合わさる位置はほとんどの場合「直角」にあうようになってます。

肩を縫い合わせたら肩線を挟んで3~5㎝程度は真直ぐになっていますので、袖山も同じように真直ぐであるべきです。
ですので、袖山の位置にガイドになるような平行な線を引いておきます。

それでは、後ろ袖ぐりから始めます。
後ろ袖ぐりは前と比べてみると、カーブが緩やかです。
袖下はほぼ基本線に沿うようにひき、次第に袖山の平行線に馴染むように膨らみを持たせて繋げます。

この図の袖山の高さはシャツ袖程度の高さにしていますので
1.2∼1.5cmくらいの膨らみを付ければ袖山の平行線と馴染みました。

次に右側です。

まず、前袖の基本線を2等分します。
2等分した位置から、袖下方向に1cm下げた点をポイントします。
上半分の膨らみは左側と同じように1.2∼1.5cm膨らませます。
下半分は0.7∼1cm程度、くります。

これで、袖ぐりの線が引けました。この後は袖丈を決めて袖山点から測り袖中心線に沿って下に線を引き、同じように袖幅案内線から下に線を引いて袖口線を引きます。

これで袖の基本となるパターンができました。ここからいろいろなデザインに展開していく事ができます。

袖のパターン製図方法 袖山と袖幅の関係

初めの「基本線を引く」でも言いましたが、袖山の高さはデザインによって変わります。

シャツスリーブの袖山は低いので袖幅は広くなり、それに伴い袖ぐりの曲線の膨らみも低くなります。

ブラウスなどはデザイン的に袖幅を広くしない場合は、必然的に袖山は高くなります。
斜めの角度が急なので、なだらかにするために膨らみも大きくなります。

袖のパターン製図方法 袖山にギャザーを入れる

基本のパターンのアレンジ例をいくつかご紹介します。

袖山にギャザー + 袖幅も広くなる方法

袖中心線でカットして袖幅線に沿って入れたいギャザーの分量だけ左右にスライドさせます。
離れた袖山をなだらかなカーブでつなぎます。この方法では、袖幅全体が広くなりますので袖口はタックやギャザーを入れるデザインになります。

袖山にギャザー + 袖幅は変えない

袖幅は変えずに袖山にギャザーを入れたい時は、袖幅線から上を中心線で切り開き袖下ポイントは固定したままで袖山を同じ幅だけ開きます。

袖口を広くする

袖口を開いてフレアーを入れたい時は中心線で切り開いて袖山は固定したまま袖口を左右同じ幅だけ開きます。

以上のように、袖山と袖幅の関係性を理解できれば、自作の袖のパターンを使って自由に袖のアレンジを楽しむことができます。

袖のパターン製図方法の基本とギャザー袖アレンジ方法のまとめ

袖のパターン製図方法の基本と袖ぐり・袖山の関係性、またアレンジ方法をいくつかご紹介しました。袖の仕組みを知ることで自分の好みに合った袖が自由に作れるようになって、もっと洋裁を楽しむ事ができますね♡

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