衿を反り返させないで綺麗に作る型紙の作り方と縫い方

型紙の書き方

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今回のテーマは「衿をきれいに作る」です。衿はとにかく「洋服の顔!」なのできれいに作りたいですね。そこで『衿』の型紙の作り方と衿先が反り返らないきれいな衿の作り方についてまとめました

「きれいな衿が作れない」や「衿先が反り返ってしまう」などで、衿を作るのに苦手意識がある場合や「衿の形を自分なりにアレンジしたい」という時のお役に立てる内容です。

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衿を反り返させないで綺麗に作るための型紙の作り方・衿端の長さ

衿を気に入った形にアレンジしたい時、どうすればイメージ通りの衿になるのか?衿の作り方と構造を知っておけば思い通りの衿を作る事ができます。ここでは、衿の構造と型紙の作り方についてまとめています。

特に注目したい点は衿を付けた時の衿端の「浮き」についてです。衿端が浮かないように型紙を作るにはどうしたらいいのかを基本になるフラットカラーの構造を用いて説明します。

衿の形の基本 フラットカラー

衿の基本構造がよくわかる『フラットカラー』は衿腰がなく身頃に張り付いたように平らな衿です。型紙の書き方は前後の身頃の肩線を付き合わせにして、衿の幅や衿先の形をアレンジして書きます。

肩線の付き合わせ方によって衿の形が変わってきます。

まず、前後の肩線を付き合わせに合わせた場合、衿が付く位置の長さ(赤い線=衿の着地位置=衿の幅)と衿端の長さが同じになります。理屈としては同じ長さなのだから良さそうなものですが、形にすると図や写真のように衿端が浮きます。

衿端を落ち着かせるには、衿の外周の長さを衿の着地位置の長さよりも少し短くすることが必要です。衿の外周を小さくするためには型紙を作るときに、前後の肩線を2~3cm重ねます。

重ねると身頃の衿端が当たる位置の長さと衿の外周の長さに差ができるので、衿端が身頃にフィットします。画像のように衿端の長さと合った所に衿端が着地します。

台衿付きのシャツカラーの場合

台衿付きの場合はえり腰の高さが決まっているので、衿端の長さも決まりやすいです。

図の水色の線の長さが重要です。衿の端が自然と当たる身頃の位置の長さがあっていれば、衿のおさまりがいいです。
Aのように衿腰を高くすると外周(水色の線)が長くなりすぎて衿端が浮きます。逆にBのように低くすると外周が短くなりすぎて着地点で衿が引き攣れてしまいます。
ポイントは1+2の水色の線の長さ(衿の着地点)になるように★印の高さを調節して製図する事です。

衿を反り返させないで綺麗に作るための型紙の作り方・衿腰の高さ

フラットカラーのような作り方とは別に、前後の衿ぐりの長さから型紙を導き出す方法もあります。

衿ぐりの長さを測って衿を作る方法

前後の衿ぐりの長さを測ったうえで、左側に引いた直角の線を基準に衿を作っていきます。図は基本的な手順を示しています。この基本の形をもとに、衿腰の高さや幅、衿先の形などをアレンジしていきます。

衿腰の高さと衿の形の関係

上の図で下線からA点までの長さが衿腰の高さになります。高さによって衿の形がどう変わるかを図にしました。

図のように衿腰を高くすると、フラットカラーに近い形になります。逆に低くすると、衿腰があって台襟付きのシャツのように首が隠れるような形になります。

衿を反り返させないで綺麗に作るための縫い方

衿を縫う時にはただ2枚を縫い合わせるだけではきれいな衿に仕上がりません。

表側になる方にゆるみを足して仕立てていくのですが、それには2通りの方法があります。

縫う工程の中で表にゆるみをくわえる方法

1つは表・裏2枚同じものを裁断して、縫う工程の中で表にゆるみをくわえる方法です。

手順としては
① 同じ大きさの2枚の衿を中表にして縫い合わせる
② 裏衿を控える様にしてキセをかけアイロンする ← この時点で2mmずれるのでカットして切りそろえる
③ 表衿にゆるみをくわえる為、切りそろえた衿ぐり側の表衿を2mm控える
④ ゆるみを作った事で、衿付け側に再度2mmのずれができる。しつけや仮止めミシンをかけてから再度切りそろえる

この方法では、キセをかけた時のずれ2mmとゆるみを入れた時のずれ2mm、合計4mmほど裏衿を小さくしていることになります。

裏衿を小さく裁断して縫い合わせる方法

2つ目の縫い方は、裏衿の周囲を2mmカットして、あらかじめ小さくしておいてから縫う方法です。初めの方法のように、2度もずれた分をカットする必要がありません。

裏衿用の一回り小さい型紙を使ってもいいのですが、おすすめの方法は2枚の衿を重ねて裁断する事です。2枚重ねて裁断すれば同じ断面になりますので、そのうえで裏衿を2mmカットするのが確実だと思います。

手順としては
① 表裏2枚の衿を重ねて裁断する
② 裏衿の周囲を2mmカットする

③ 中表に合わせてミシンかけ
注)中表に合わせる時、裏衿を小さくしているので合わせにくいですがまず中心、次に両端の順番でピンを打って固定し全体を均等になるように合わせます。

④ 表にひっくり返して裏衿を控える様にキセをかけてアイロンし、周囲に飾りステッチを入れる
⑤ 『ずれ』を表衿の衿ぐりに合わせてひきおろし、ピンで固定してしつけ(または、仮止めミシン)をかける

この『ずれ』がゆるみ分になります。

この状態で固定したら衿の完成となります。

以上、2通りの「衿先が反り返らない衿」の作り方をご紹介しました。表衿、裏衿が同じ大きさでは衿先が反り返る、裏衿は表衿よりも小さくあるべき、という構造の原理をわかっていればきれいな衿を作る事ができますね。

衿を反り返させないで綺麗に作る型紙の作り方と縫い方のまとめ

今回のテーマの1つは『衿』の型紙の作り方についてです。衿の型紙の作り方の基本と、衿腰の高さの違いによって衿がどう変わるのかについてまとめました。衿の型紙の作り方を知っていれば、衿のデザインをアレンジしたい時などに役立ちます。

もう1つのテーマは衿先が反り返らないようにするための『衿の縫い方』をご紹介しました。ただ、2枚の布を縫い合わせるだけでは、きれいな衿にはなりません。2通りの縫い方をご紹介しましたがどちらも『裏衿は表衿よりも小さくする』ということをお伝えしました。

これらのことを知っておくと「きれいな衿が作れない」や「衿先がぴょんと反り返ってしまう」というお悩みが解消されます。

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